妊娠による姿勢の変化
妊娠によりお腹が大きくなると前面に重量が増えるため、体はバランスを取ろうとして重みを前後に振り分けようとします。
姿勢に関して
・骨盤は前方に移動し、腰は反りがなくなり平坦か、もしくは反る場合も
・腰より上部の背骨は弯曲を強める。乳房の重みによりさらに猫背が強くなり、巻き肩になる。
・猫背により頭部が前方に位置する。
妊娠中・産後に腰痛・肩こりが圧倒的に多いのは、この姿勢の影響が大きいです。
これら姿勢の変化は、出産後すぐに戻るわけではありません。というよりこのままの姿勢の特徴で経過している方のほうが多いように感じます。立ち姿勢だけでなく、産後の授乳や赤ちゃんの抱っこ、ベビーカーを押したりと身体の前方で行う動作ばかりなので、姿勢をより悪化させてしまいます。
近頃は、分娩台に乗るお産の為の身体が出来ていない妊婦さんが増えています。
将来妊娠を考えている方、妊娠をした女性は、自分の身体の準備も始めてほしいと考えております。
妊娠中は、お腹がだんだん大きくなり、バランスを取ろうと無意識に腰が反ったり、真っすぐになったり、首や、胸椎が丸まってしまったりと、気づかない内に姿勢にも変化が起こり、さらに妊娠中のホルモンの影響で、関節を支えている靭帯が緩みやすくなって、姿勢の不安定さが顕著になります。
靭帯がゆるむと、足やお尻、股関節回りなどに負担がかかり痛みが出やすくなります。
痛みが出ると産後も治りにくい方もいます。
そのような痛みを抑えるためにも、筋肉でカバーして骨盤、脊柱を安定させる事が大事です。
臨月には、骨盤は広がっていきますが、骨盤の左右が一気に広がることはなく、先に右が広がってから左が広がる、を交互に約1週間サイクルで均等に開いていくと言われています。
骨盤を緩みやすい状態にしておくと、楽になります。
骨盤の開閉運動でなめらかに動けるようにしておくことはおすすめです。
出産直後から3週間は、骨盤がゆるゆるの状態です。
産後1ヶ月でも、妊娠前の半分程度しか戻ってないのが一般的です。
個人差はありますが、再び骨盤が引き締まりお腹に力が戻るまでに、20代は約2ヶ月、30~40代は、3ヶ月はかかると言われています。
産後は、大きく骨盤が緩み切った後に、思い切り締めるチャンスなので、骨盤ベルトは出産後すぐに、腸骨より下に巻くのはおすすめです。
感覚の変化
妊娠中は、赤ちゃんがお腹にいる状態で約10カ月過ごします。お母さんの体は、赤ちゃんがいる重みに慣れてきます。
しかし出産すると、すぐに重量の配分・体の重心が変わります。この変化により、身体感覚や認識が変わり、バランスが悪くなり、正常な感覚が障害されます。
ここでいう感覚というのは、専門的な言い方になりますが「固有受容感覚」というもので、体の各部位の「位置や動き」を感じたり、力の入れ具合を感じたりする感覚です。
具体的には「バランスがとりにくくなったり、段差で思ったより足が上がらずつまずいたり」します。
自覚ありませんか?「なんか体が重い、動かしにくい。」からだの変化に感覚が追い付いてないのかもしれません。
これら姿勢などの変化は、ピラティスにより改善していくことができますが、放っておくとその他の部位や機能でかばってしまい、段々修正が難しくなってきます。早めの対処が大切ですね。
コアを構成する筋肉:腹横筋・骨盤底筋・多裂筋・横隔膜の4つです。
骨盤の底にある骨盤底筋は、臓器(子宮や膀胱、直腸)を下から支えるハンモックのようなものです。
コアの役割:背骨の腰の部分にあたる【腰椎】の前には、内臓があるだけで支えがありません。(胸椎には前に肋骨が鳥かご状についていて骨格的にガッチリ安定している。)そんな不安定な腰椎を前方から支えるのがコアです。4つの筋肉がバランスよく働くことで腹圧を高め腰椎を安定させてくれます。腰の前に風船があってその圧で支えてくれるイメージ
コアの筋肉がうまく働かなくなると、バランスは崩れ姿勢は悪くなり、腰に負担がかかります。
妊娠中は、お腹が大きくなるため、お腹まわりをグルっと覆っている腹横筋が引き延ばされます。
さらに、骨盤の底にある骨盤底筋が赤ちゃんと子宮を下から支えた状態になるので、その重みで骨盤底筋も引き延ばされます。筋肉は引き延ばされた状態では十分機能できません。何カ月もそのような状態が続くので、当然筋力低下を起こしてしまいます。
また、出産時に骨盤底筋は通り道になるため、強制的に引き延ばされ部分的にちぎれてしまったりして、ダメージを受けることになります。
骨盤底筋の機能低下により生じるデメリット
・尿漏れ
・臓器(子宮)脱 年齢を重ねた時起こりやすくなる。
・ポッコリお腹
・腰痛
なかでも尿漏れは年齢を重ねた時に、大きな悩みの一つになります。早めに鍛えて対処する必要があります。
産後期はお母さんにとって大事な時です。多くのお母さんはとても忙しい為、小さな痛みがあっても、そのうち消えるだろうと放置される方が多いです。赤ちゃん中心の生活となり、自分の為に使う時間を持つことが難しくなります。
放置していた痛みは、長期に渡ってしまうと、慢性腰痛、姿勢の変化、骨盤の機能障害などを引き起こすこともあります。
産後も回復に9ヶ月はかかるといわれています。
特に骨盤底は腹筋同様に動作を意識して行わなければなりません。
出産に医療的介入がなければ産後1か月で、出産に伴う傷の痛みがなく、医師に確認を取り問題なければ産後の運動OKです。
自宅で試してみよう!骨盤底筋トレーニング!(産後の方)
まずは骨盤底筋の収縮を感じられるようになることが大事ですが、なかなか難しいです。
指導側から見てちゃんと収縮できているのかわからないのが難点で、違う部位に余計な力が入っていないかを確認するだけで、あとは自身の感覚任せになります。
①大きめの枕などにまたがって座る。→すね前面が床につくように
左右の座骨に均等に体重をのせて骨盤はニュートラルにします。
②鼻から息を吸い、口から息を吐く。(胸式呼吸なので、お腹は膨らまないよう薄く保ちます)
③吐くタイミングで、おならを我慢するようにお尻の穴を閉め、その閉めたままの感覚を前に移動し内側に引き込む。
ジッパーを引き上げるようなイメージで。
普通の椅子に座ってでもできるのですが、またがった方が骨盤底面に圧を感じやすいです。
(当院には、骨盤底筋用のストレッチポールも用意しております。)
また、尿漏れに悩まれている方は、上半身をほんの少し前傾させた方が、閉める感覚が意識しやすいです。
上のやり方では、わからない!という方に
骨盤底筋は、内転筋(内ももにあって足を閉じる筋肉)と筋肉のつながりがあり、一緒に働かせることで骨盤底筋が働きやすくなるという報告があります。(内転筋以外にも、お尻の筋肉で足を外に開いたり、外にねじる筋肉も同様)
・上向きに寝た状態で両ひざを立てて、ボールを足の間に入れ、挟みながらさっきの呼吸を行う。
立ってボールを挟んでも良いです。これらのやり方はよくテレビでも紹介されています。
あとは、手の親指を口で噛んだ時に、少し膣の方に収縮を感じるのが骨盤底筋の感覚だとピラティスの先生が言われていました。
肝心なのは呼吸に合わせて行う事。
しっかり深い呼吸で行うことで、コアを構成する横隔膜や腹横筋も一緒に働き、より働きが高まります。
ボールを挟むのに必死になって、内転筋の収縮だけで骨盤底筋が全然働いてないなんてことはよくあるのでご注意下さい。また、最終的には骨盤底筋を単独で収縮させられるようにしましょう。内転筋に力を入れなくても骨盤底筋を引き上げられるように)
骨盤底筋を収縮、骨盤底を引き上げた状態で「10秒保持を6セット、を1日に10回」
セット間の休憩は5秒です。是非、試してみてください。
血流改善で、肩こり、腰痛改善、ホルモンバランス調整、良質な睡眠に!
遠赤外線の中でも8~15ミクロンの波長が、特に人体に効果的と証明されています。
この波長帯域は人体から放射されている波長と同一である為、身体深部まで到達し、内部から温めます。コタツや他の赤外線と異なり、皮下深部層の温度が上昇し、毛細血管まで拡張します。その為、全身の血液循環を活性化させ、新陳代謝を促進します。
不妊治療の観点では、排卵の誘発や卵胞の発育を促す働きがあると考えられ、不妊専門クリニックでも多く使われている医療機器です。
身体を芯から温めると、ホルモンバランスを整える事にもつながります。
血行を良くする、筋肉のコリをほぐす、疲労回復、神経痛、筋肉痛の緩和、胃腸の働きを活発にする、
生理痛(月経痛)、冷え性、便秘、下痢、痔、不眠症、不妊、慢性痛、子宮、卵巣動脈の血流改善、注射やお薬の効果促進、胃腸の不調、筋肉の緊張緩和、排尿量増加、自律神経、神経痛、などに効果が期待できます。
サンビーマーは、急性期の腫れや熱感がある症状は使用できません。
サンビーマーは、幼児~ご高齢の方まで、使用制限が無い安全な温熱療法機器です。
妊娠中の方の腰痛などにも使用されています。
妊娠初期と臨月の方、がんやペースメーカーご使用の方は、医師にご相談されてください。